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『羞恥責め』
メールマガジン女帝の密室 2016年8月配信号より


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大きな鏡の前で、私は後ろ手に縛られている。

自分の裸体など見たくはないが、命令があれば見なければならない。
見慣れた身体のうえを、細い指が軽やかになぞる。
たかがその程度の触れ合いに喜んでしまうわたしの心と、同じように喜んでしまう下半身と、
それを見透かしたように微笑む、鏡越しの彼女。
彼女が持つしなやかな女性の身体とはまるで違う、たるんだメリハリのない醜い肉に縄がかかって、少しは形が整えられたような気がする。

高手小手に纏められた私の上半身がほんのりと汗ばみ始めると、次は乳首をつままれる。
優しく、時折強くつねられるが、私の上半身は縛られてしまっているので、痛くても逃げられない。
痛みと心地よさをランダムにあたえられて、私の乳首は次第に腫れ膨らんでしまった。
腫れた乳首の感覚は余計に鋭くなり、少し爪先で弾かれただけでもぞくぞくとした快感になる。
私の口からは、あう、と、だらしのない喘ぎ声が出てきてしまった。
色気のない不気味な自分の声など聞きたくないのに我慢できず、
しかも、目の前の美しい彼女にこんな声を聞かれていることにさえ昂ってしまう。

「恥ずかしい子ね...もっと恥ずかしくしてあげましょうね」

ぐいぐいと縄を引っ張られて強引に連れてこられたのは、部屋の玄関ドアの前だった。
少し足を踏ん張って抵抗したが、今の私にはなすすべもなく、扉にドンと押し付けられてしまう。

「ここは廊下の音が聞こえるでしょう?ほら、静かにして」

廊下でかかっている有線の音、エレベーターの音、どこかの部屋に入るであろう男女の話し声と足音。
部屋の奥では聞こえなかった外の気配が、ここではありありと感じられる。
扉1枚隔てて晒された外界に緊張している私の顔を見つめる彼女はとても満足気で、
私の恐怖心など、みじんも気にかけた様子はない。

「大きい声を出したら、お外に聞こえちゃうから気を付けてね」

いつの間にか縄が足され、私の背の縄はドアノブと繋げられて、入室したときにかけたカギも開けられてしまった。

「暴れるとドアが開いちゃうから、恥ずかしいなら気を付けてね。
私は開いても構わないけど」

そういうと彼女はまた指を皮膚に這わせ始め、つまみ、なぞり、爪を立てて、
更には陰茎をもてあそび、引っ込んでしまった私の快感を再び引き戻しはじめた。
薄暗い玄関ホールで、寄り添い見つめられて身体をまさぐられると、弱い私はすぐ快感に流されてしまう。
私は彼女の奴隷であり、所有物であり、すべては彼女の意のままである。
そういう風にできているから、仕方がない。
仕方がないとはいえ、こんな場所でも感じさせられてしまうほど愚かな自分には、恥じ入るしかない。

「...あら、誰か来たみたいよ。
その辺の人は、お前みたいな変態がここにいると知ったら怖がってしまうから、そんな酷いこと、しないでね」

そう注意されても、私の駄目な口からは声が漏れ、駄目な身体はよじれて、がたがたとドアノブを鳴らしてしまう。

「お、お許し...お許しを...」
「なんて言ったの?聞こえないわ」
「も、もう...お許しください...!」
「なぁに?大きな声で言ってくれないと分からない」

どこかのカップルの話し声が近づいてくるにつれて、彼女の手は激しく動き、快楽で私を責める。
もしこのまま達してしまえば、彼女の服を汚してしまう。
ニコニコと意地悪に微笑む彼女に対して、私の心臓は緊張と興奮に昂りすぎて壊れそうだ。

「お、お、お許しください女王様!!もうお許しを...!!」

ついに叫んでしまった私の背後の廊下で、カップルの声がぴたりと止まった。
脱力した私を満足そうに見つめると、彼女は私の頬を両手で包み、犬のように撫でた。

「うふふ。よく出来たわ、とっても良い子ね」

愚かな私の羞恥心は、その一言でどこかに溶けて、なくなってしまった。



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