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『人間家具調教』
メールマガジン女帝の密室 2016年11月配信号より


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後ろ手の手枷を足枷と繋ぎ、
ベッドの上で強制的に正座をさせた奴隷の膝にたっぷりと深く座り、背を預けた。
髪が顔にかかってくすぐったいのか、それとも髪と頭皮の匂いに発情したのか、
彼、否ソレの荒い鼻息がハァハァと首筋にかかって不快になる。

「なんだか家具のくせに随分うるさいわね」
「申し訳ありません...」
「黙りなさい。家具にお口はついていないものよ」

更に体重をかけて凭れると、うめき声を噛み殺してそれは黙った。
姿勢を保つのに必死なようだ。
愉快になって、私はまた強く体を押しつけた。
座りだした頃にはまだ勃てる余裕のあったペニスは、萎みきってどこにあるのかも分からなくなっている。
それがまた愉快で、少し笑いが漏れてしまう。

この言葉の分かる家具は、体格の良さの割には軟弱で強度が足りない。
オットマン程度には使えるけれど、
私の求める品質のマッサージチェアやテーブル、頼りになるスツールにはまだまだならないでいる。
甘やかしてバスタオルにしていても良いのだけれど、
それでも使えなければゾウキンにして、汚れたら捨てるしかない。
それでも良いのかしら、と訊ねてみたら、ソレはもっと役に立ちたいと申し出た。
私はその必死な顔と気持ちをとても愛しく思い、
役に立つ家具になれるよう調教をすることにしたのだった。
勿論、嫌ならゾウキンに戻ったら良い、ダメになったら捨てられるだけだとは伝えている。
それでもソレは調教を望んだので、私は所有者としてきちんと手をかけることに決めた。

脚がしびれるのか、腹筋背筋が苦しいのか。
ソファになっているはずのソレは、ぷるぷると震えだした。
鼻息だけは必死に抑え込んでいるようなので、偉いねと空中に言い、背もたれを撫でた。
少し気が弛んだようなので、私は携帯電話に手を伸ばし、
ネイルサロンに予約電話をかけることにした。
私が電話をかけていることに気づいた瞬間、ソレは再び身を固くし、更に息を潜める。
電話の向こうから微かに漏れる見知らぬ女性の声をわざと聞かせるようにしていると、
座面と背もたれが急速に汗ばんでくる。
顔は見えなくても、面白いほど伝わってくる緊張に私の加虐心がそそられてしまう。
ロッキングチェアのようにユサユサと揺らして悪戯をしてみると、
堪え切れなかったうめき声がこぼれてしまった。

「もう、変な電話だと思われたら恥ずかしいでしょ。大人しくしていてちょうだいよ」
「...ウゥ...」
「そう、分かってくれればいいのよ」

通話を終え、またしばらく腰かけていると、
ガチガチに全身を固めて強ばっていたソレの筋肉が、
少しずつ力の抜きかたを理解しだしたようで、柔らかくなってゆく。
座り心地が良くなってきたわ、とまた背もたれを撫でて褒めると、
埋もれていた屹立が徐々に存在を主張しはじめた。

「うふふ、なんて単純なのかしら。さすが家具ね」
「.........」
「もう少し頑張ってちょうだいね。そうしたら次は、ベッドマットにしてあげるから」
「.........」

家具は家具らしく静かに黙ったままであったが、
私の背中に伝わる鼓動の高鳴りと、腰を押し上げようとするペニスの硬さが、充分な返事になった。
ゆっくりと立ち上がり、背面で繋いでいた枷を外してやる。
ソファだったソレの背中はびっしょりと汗をかき、
私の重いヒップに敷かれていた脚は痺れきっているようだ。
仰向けで寝なさいと命令しても、なかなか姿勢が変えられずモゾモゾとしている。

ようやく平らになったソレを、今度はベッドマットとして使うために、
私は文庫本を1冊手に取り、脚の上に脚、腹の上に腹、股間の出っ張りを押し潰すようにして腰を乗せ、
肩の上に肘を置くようにしてうつ伏せで圧し掛かった。
小柄な私の身体がベッドマットになったソレの上に寝転がっても、まだ余裕が残る。
密着されて驚いたのか、目線の真下にあるソレの顔がまた緊張する。

「座り心地よりは寝心地の方が良さそうね。
お昼寝出来るベッドくらいには、なってもらわないと困るわ」
「はい、頑張ります」
「ふふ、ベッドも喋らないのよ。一章読み終わるまで黙っていてちょうだい」

慌てて口をつぐんだソレの顔に腕を乗せて、私は本のページをめくりはじめた。



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